ジャンヌ・ダルクの指輪

ジャンヌ・ダルクという女性

ジャンヌ・ダルクという人物について誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
歴史的に偉大な人物として取り上げられ、勇敢な女性像の象徴として今でも表現されることが多いです。

ジャンヌ・ダルクは、12歳で神のお告げを聞いて、それをきっかけにフランス王国を救うために立ち上がることになります。
その旨をフランスの王太子に告げフランスとイギリスの間に起きていた百年戦争に参戦します。

その時イギリス軍に周囲されていたオルレアンの街を開放するなどの武勇伝を残した女性です。
その際に男装をして戦いを挑んだことから戦後に異端児として扱われ、裁判となり火あぶりの刑となってしまいます。
神のお告げ通り国を救った女性は、わずか19歳で命を落とすことになります。

長い歴史の中でフランスにとって歴史的人物として今でも語り継がれています。
その際に彼女が身につけていたといわれている指輪が今注目されています。

彼女が身につけていた指輪

ジャンヌ・ダルクは当時銀の指輪をしていたことが分かっています。
その指輪には、マリアとイエスの名前と共に3つの十字架が描かれているのが特徴です。
火あぶりの刑となった彼女が身につけていた指輪はイギリスのヘンリー7世の手に渡ったといわれています。
その後ヘンリー・ボーフォード枢機卿へと渡ってからどこにあるのかわからなくなっていました。

彼女の存在を示す当時の貴重なものとして、フランスのコレクターや美術館関係者があらゆる場所を探し続けていましたが見つかることがありませんでした。
行方が分からなくなって600年後となり、急にジャンヌ・ダルクの指輪が見つかったという話題が上がりました。

600年後フランスに

ジャンヌ・ダルクの指輪は、発見同時まだイギリスにありました。
イギリスの医師のハリソン一家が1945年に手に入れてから子供に代々引き継いでいました。
ただしそれがジャンヌ・ダルクの指輪だということは誰一人認識していませんでした。
ところがロンドンのタイムライン・オークションズというサイトにジャンヌ・ダルクの指輪の写真が掲載されたのがきっかけに、ハリソン一家が自宅にある指輪がジャンヌ・ダルクのものではないかと気づくことになりました。

その後、鑑定を依頼したフランスのピュイ・デュ・フー財団によって、やはりジャンヌ・ダルクの指輪として認められました。
その後ロンドンのタイムライン・オークションズにおいて競売にかけられました。

アメリカやイギリスやフランスの古物コレクター達が競売に参加し、激しい競争が繰り広げられました。
落札者はずっとジャンヌ・ダルクの指輪を追い続けていたピュイ・デュ・フー財団が4800万で手中に収めました。
これによって歴史的に偉大な人物のジャンヌ・ダルクの指輪は母国フランスに600年ぶりに帰国することになりました。